このブログでは人生の大きなテーマとなる「自分と向き合う」という話を過去何回か行ってきました。
誰にとっても自分と向き合うことは欠かせず、「なぜ自己分析をする必要があるのか」から「自己分析をどのようにするのか」といったものまでお伝えすることで自分への学びを深めてもらえたら、と細かいところまで書いてきました。
今回は一度その辺りの記事をまとめていこうと思います。
なぜ自己分析をする必要があるのか?
自己分析をお話しするうえでまず伝えておきたいことは、その理由についてです。
過去の記事「「自分と他人が分けられない時代」に生きるあなたへ」では、その理由を「自分と他人が分けられない時代で、自分を確かに感じるため」とお伝えしました。
「え、それだけ?」と思われるかもしれませんが、そう思う方にこそ次の問いを考えてほしいのです。
「あなたは世の中が便利になればなるほど自分の感覚が「便利さ」によって奪われていることに気づいているでしょうか?」
いきなりそう聞かれてもピンと来ないかもしれません。
ですからちょっと話を進めていきますね。
たとえば、インターネットの普及は「覚える」という感覚を奪いました。
わざわざ暗記しなくてもその言葉を検索するだけで正確な意味が即座に調べられるわけですから、インターネットとつながっていれば「覚える」必要がないのです。
その結果、自分の「記憶(思い出)」に対して大きな価値を見出せなくなり、覚える必要がなくなったことから言葉の重さをも感じられなくなって心を傷つけるような言葉を平気で使う世の中になってしまいました。
自分で言葉の意味を覚えていればその言葉がいくつも重なって「想像力」を膨らませられたのですが、「覚える必要なんてないよね」と自分の「覚える」という感覚を便利さに預けてしまったため、相手のことを想像できずに自分の感情ばかりに振り回されてしまう現状が生まれてしまったわけですね。
便利な時代になるほど自分の感覚が奪われて「自分がこの世界にいる必要性」を感じられなくなります。
これだけ便利なのだから自分が考えること・やること全て代替え可能で、自分がいる必要性がまるでないのではないかと。
実際人間の「目」「耳」「足」「肌」「声」といった機能は機械で代替可能になってきていますし、限定的ではありますが優位に立つこともあります。そのうえ機械が「万能の手」を獲得すれば、人がやることの多くが代替可能となって「自分がいる必要性」はさらに失われていきます。
介護でいえば見回りロボットは既に存在していますし、コミュニケーションロボット、認知症セラピー支援ロボットなども注目を集めています。
これはもしあなたが「見守り」「コミュニケーション」「セラピー」などの機能で「介護の仕事」を続けているのなら、それらの仕事はロボットに取って代えられる未来がもうそこまで来ている、ということでもあります。
たとえばアザラシ型 癒しロボット「パロ」ペット用(ホワイト・ゴールド) 3年保証・メンテナンス付 ※ゆうパケット不可は値段が46万円近く掛かるので「さすがにこのロボットに自分の仕事が奪われることはないだろう」と思われるかもしれません。
しかし平均月収24万と言われる介護福祉士の約二人分と考えれば、例えばグループホームなどの少人数の入居施設の職員を一人減らせる、もしくは待機枠に据えられる可能性があるわけですから施設運営側としては十分選択肢に入る金額なのです。
加えてここに需要が生まれれば性能・価格競争が生まれて高品質・低価格化していきますから、より「人間がやる意味」がなくなり「人間を雇う意味」もなくなっていきます。
介護を例にしましたが、多くの職業はテクノロジーの進化により「便利さ」が増していくほど「人がやる意味」が失われ、雇用機会が減少していきます。5年10年後に今の仕事が続けられるかは誰にもわからないわけです。
このような社会で求められるのは「『あなた』の意味」です。
あなたである意味は何なのか。あなたである必要があるのか。
あなたがやる意味は何なのか。あなたがやる必要があるのか。
その答えを人に示せるようにならなければ他にいくらでも便利な手段があるわけですから、人が「あなた」を選ぶ理由がなくなってしまうわけです。
このような理由から誰にとっても「自分の意味」を見つけること、すなわち自己分析が欠かせないのです。
< ここまでのまとめ >
いま自己分析をするべき理由は「便利さによって自分の感覚が奪われる社会では、自己分析によって『自分の意味』を見つけ出すことが『人があなたを選ぶ理由』になるため」である。
自己分析をどのようにするのか
では、自己分析をどのようにしていけばよいのでしょうか。
過去の記事「僕は自己分析で「メモの魔力」のメモ術をお勧めする」のタイトル通り、僕は自己流の自己分析を行うよりは前田裕二さんの著書『メモの魔力』の自己分析1000問を行うことをお勧めします。
これはなぜかと言うと『メモの魔力』のメモ術の構造と自己分析との相性が良いからです。
メモの魔力のメモは「ファクト」→「抽象化」→「転用」の流れによって物事の本質を見つけ出したうえで行動するようになっています。
このメモに自己分析を組み合わせると「人生の軸(自分の意味)」を知り、実現させることになります。自分が何者かを知り行動することで自分らしさを形にしていけるわけですね。
この流れをして「一行のメモが一生を変える」というキャッチフレーズが設けられたほど、メモの魔力による自己分析は強烈なのです。
メモの魔力のメモ術では「夢」や「性格」「経験」といったテーマについて幼少期から社会人、現在までの時期ごとに「好きなもの」や「嫌いなもの」、「座右の銘」など細分化された質問に一つひとつ答えていくことで「そういえばあの時自分はこうだった」と気づくきっかけになります。
そういった気づきの積み重ねが「人生の軸」、すなわち自分らしさを見つけ出すことにつながります。
試しに「なぜ自己分析をするのか、その目的は?」という最初のテーマのメモを用意しましたので、ここから「ファクト」→「抽象化」→「転用」の手順を見ていきましょう。
①テーマから思い出される『自分が実際に経験したこと』を「ファクト(事実)」として書き出す。
②ファクトから「これはどういうことなのだろう?」と考えて、他にも当てはまるような答えを書き出す。
③そうして出した答えを「自分ならどうするか」と具体的に書いていく。
この流れを上のメモで行ったものが以下のものとなります。
①【ファクト】→ストレスから心臓を痛め、それが自分と向き合うきっかけとなった
②【抽象化】→自分の問題からは逃げられないが、その状況が自分と向き合わせる力を生む
③【転用】→自分を追い込むことで雑念を払い、一点集中する力を得る
「ファクト(事実)」として、僕は「33歳のときストレスから心臓を痛めた」ことをメモの左半分に書き記しました。
それは「どういうことか」と言えば、「自分の問題からは逃げられないが、逃げられない状況が自分と向き合わせる力を生み出す」ことなのだと僕は考えました。
そのうえで「自分ならどうするか」を考えたとき、「追い込むことで雑念を払って一点集中する」という自分事へと転用しました。
こうして「ファクト」→「抽象化」→「転用」の流れを組むことで自分が体験した事実の「意味」を知り、その上で行動に移るところまでを書き記したことになります。
ここで大切なのは「そうして書き記したものは僕以外には書けなかった」ということです。
決められたテーマから「33歳の時に心臓を痛めた事実」を引き出すのも。
それによって「自分の問題からは逃げられないが、逃げられない状況が自分と向き合わせる力を生み出す」と考えるのも。
そのうえで「追い込むことで雑念を払って一点集中する」という自分なりのやり方を見つけ出すのも。
それらすべて「自分」だからこそ書けるのであり、そのような思考の道すじ全てが「自分らしさ」なのです。
「そう言えばあの時こうだった」というメモの積み重ねが自己分析になり、自分を理解したうえで実際に行動するところまで書いていますから、その行動は自分にとって理に適ったものとなります。
加えてメモが形に残ると、その「自分らしさ」が一時の思い込みではなく自分が歩んできた人生の中で確かに築かれたものであると誰にとっても明らかになります。
このように「自分と他人が分けられない時代で、自分を確かに感じるため」の自己分析を行う上で『メモの魔力』をお勧めする理由はメモが「自分の意味」を証明し、自分らしくいられるようになるためです。
最初のうちは難しく感じられるかもしれませんが、数をこなすうちに「メモを取る思考」が身につきます。
僕は2019年1月3日より毎日欠かさず「メモの魔力」のメモを1つ以上取るようにしています。
ある時点からメモを書かずとも頭の中でメモが完結するようになり、それをノートに文字起こしして見るとさらにメモが深まっていくのを感じました。
そうして取られたメモはInstagramを始めとしたSNSに毎日投稿していますので、一度ご覧になってみてください。メモを取る参考になるかと思います。
ナカさん@しるしの魔術師(http://instagram.com/magicianofsign )
まとめ ~メモが「自分らしさ」を教えてくれる~
「メモの魔力」のメモは、便利さによって「みんな同じ」となった今の時代で「自分は確かに『自分』なのだ」と教えてくれる自己分析ツールです。
「自分らしさ」を感じるためにSNSで「いいね」を欲しがったり、時に倫理を飛び越えて「誰もやらないこと」をやりたがったりするよりも、メモは揺るぎなく、疑いようもなく「あなたはあなただ」と教えてくれます。
「なんだかモヤモヤする」
「本当にこのままでいいのかわからない」
「自分のことを知りたい」
そう感じているのなら、あなたも今日からメモを取って自己分析をしてみましょう。
【併せて読みたい記事】
・自分と向き合うべきただ一つの理由
・僕は自己分析で「メモの魔力」のメモ術をお勧めする
・自分と向き合おう! ①分析してみよう
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