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コロナ禍で介護士として思うこと。

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介護
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今回はこれまでとは趣向を変えて、今の時期に僕が感じていることを書き連ねていきます。
今までの記事も合わせて読んでもらえると、よりイメージが付きやすいと思います。

介護の仕事ができるありがたさ

まず感じているのは「介護の仕事ができるありがたさ」ですね。

コロナ禍にあっても生活援助を必要とする方の日常は変わりませんから、ここ数か月間も変わらず仕事に勤しんでいました。

自分自身もまた感染しうる状況下であり、ともすれば自分の感染が携わる方々への感染にもなりかねない状況ですから、気の遣い方はこれまでとは比にならないものでした。



僕が普段から関わっているのは重症心身障害者の方々で、比較的免疫力が低下している方が多いものですから、常に相手の命を背負っているような感覚で仕事をしています。

手洗いうがいの励行などは通常でもしていますが、公私に渡り神経質なまでに消毒を徹底し、不要不急の外出を控え、細胞レベルから自身の免疫力を高めるよう努めて過ごしてきました。

おかげさまで今日に至るまで自分の職場での感染者はゼロで、変わらず元気に仕事を続けられています。



この期間は特に、同じ仕事をしていても大変だったという以上に「人の役に立てている」と実感しています。

使命感というと安直に聞こえるかもしれませんが、この期間は確かに「自分が倒れてしまったら誰が代わりを担うのか」という思いが込み上げていました。

それは過度なプレッシャーにさらされて一つのミスが最悪の事態を招きかねないような環境を担いたがる人がいるのかというのと、重い障害を持つ方々の支援というものは一朝一夕では難しい、お互いに呼吸が合わせられないというのがあります。


たとえばコミュニケーション一つとっても、僕たちが普段言葉を使って会話をするようにはいきません。

その声が聞こえているか。自分の顔が見えているか。体は動かせるか。匂いは感じているか等々。自分たちが当たり前のように行っている一つ一つの感覚に疑問を投げかけながら相手の想いを探っているのです。

ですから本当の想いは確かめようがありません
なんとなくそうだろうと予測して、実際にやって相手の反応からその正誤を判断するよりほかありません。ここには当然相手との関係性が欠かせませんから、自分の代わりになれる人はそれ程多くはないのです。


だからこそ、いまこの時期に介護の仕事ができることがありがたいのです。

これだけ「自分」というものが希薄になり、ともすれば自分の存在を確かめたくて誹謗中傷してしまうような社会にあって、人を助けることで自分の存在を感じられるのですから。


それだけでもう、介護という仕事は唯一無二だと思うのです。

いま介護士であることのリスク

一方で、いま介護士であることはリスクでもあります。


もし介護士として感染しようものなら、まず自分と関わるすべての人に「あなたも感染したんじゃないの?」という疑い目を向けさせてしまいます。

施設は閉所、利用者さんも自宅待機を余儀なくされ、介護士の支援を必要としているのにそれも満足に受けられずに家族にその負担がのしかかってしまいます。

世間は恐怖から犯人探しに躍起になり、メディアやネットはそのにおいを嗅ぎつけて動き出します。まもなく「どの施設の誰が感染したか」は近所の人々には明白となり、施設とその職員の信用は地の底にまで落とされてしまいます。

仮に今の状況が収束しても人々のもつイメージはそう簡単にはぬぐえませんから、感染者を生み出した施設が地域の中で共に生きていくことは難しくなるでしょう。


このようなリスクを背負いながら今、介護士は仕事をしています。
緊急事態宣言は解除されましたが、こういったリスクを抱える以上介護士がそれに合わせて気を緩めてしまうのは正直まだ時期尚早だと思っています。

とはいえ、これはあくまで僕個人の意見ですから「他の介護士も同じようにすべきだ」という話ではありません。

大切なのは、現状を自分なりに解釈して「自分がどう生きるか」を自分で決めることなのです。

それでも介護をしていこう

介護士にとっても厳しい現状ではありますが、それでも僕が介護を続けていくことに変わりはありません。


なぜなら、どれだけ辛い状況にあっても自分を求められるから。
自分を必要とする人たちが確かにいて、それに応えることが嬉しいから。

他のどんな仕事にもそういった側面はあるのでしょう。
ただ、僕が今できる仕事は介護なのだから。
介護によって人を生かし、生かされているのだから、どれだけのものを並びたてられたとしても介護をしていこうと決めたのです。


願わくば、一日でも長く僕の心と体が持ちますように。

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