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自分の身体と向き合い、愛情をはぐくもう

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介護
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以前の記事「介護士と自己分析 ~みんなで幸せになるために~」では、主に精神面で自分と向き合うことの大切さをお話してきました。

今回は「介護士が自分の体と向き合うべき理由」として頚椎と腰椎に軽度のヘルニアを抱える僕が、自分の身体とどう向き合ってきたのかをお話していきます。

ぽっこりお腹はへこまない

僕は子どものころからお腹だけぽっこりでている、いわゆる内臓脂肪型肥満でした。

肥満(ひまん、英語: obesitycorpulence)とは、一般的に、正常な状態に比べて体重が多い状況、あるいは体脂肪が過剰に蓄積した状況を言う。体重や体脂肪の増加に伴った症状の有無は問わない。体質性のものと症候性のものに分類できるが、後者を特に肥満症と呼ぶこともある。

Wikipedia

内臓脂肪型肥満は、腹腔内の腸間膜などに脂肪が過剰に蓄積しているタイプの肥満で、下半身よりもウェストまわりが大きくなるその体型から「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。男性に多く見られるのも特徴です。またBMIが25未満で、肥満ではないものの内臓脂肪が蓄積している場合もあり、俗に「隠れ肥満症」と呼ばれることがあります。

e-ヘルスネット(厚生労働省)

当時の写真を見返してみると、海水浴で水着を着る自分の姿はお腹だけ異様にポッコリしており、それがコンプレックスでもありました。


そういった背景から、長い間「いつかはやせてみたいなぁ」というぼんやりとした願望がありました。願望があるだけで、実際には何もせず食べたいものを食べたい時に食べる生活を大学生になるまで続けていました。


大学生になるころには世間が健康ブームとなり、αリポ酸を始めとしたサプリメントが薬局で飛ぶように売れる時期になりました。

僕もなけなしのお金をはたいて買ったことがありますが、結果はお察しの通り。

当時の経済感覚で言えば「毎日お昼を小ライスと味噌汁、唐揚げ一個の130円でなんとかやりくりしてるのに割に合わない…」とがっかりしたのを覚えています。


20歳を超えたあたりからウォーキングや自宅での筋トレを始めました。

最初は腕立て伏せ10回もできなかった僕が最終的には休みながらでも100回までやれるようになり、2㎏でも重く感じた鉄アレイも片手で5㎏ずつ持ってアームカーリング50回まではやれるようになりました。

それまで運動らしい運動は中学時代に水泳部をやっていたくらいだったので、僕の中では快挙でした。


ただそれでも、ぽっこりお腹がへこむことはなかったのです。

仕事を始めて運動量が増えたから、あるいは…?

紆余曲折あって介護の派遣社員として働くようになりました。

学生時代とは違い勤務中は動き回ってばかりでしたから「もしかしたらやせるかもしれない」という淡い期待がありました。


ところが現実は三日で心のほうが保たなくなり、ストレスの影響もあってか体重が落ちるようなことはありませんでした。

その後とある利用者さんのおかげで仕事を続けられるようになるのですが、それで体重がどうこうなるわけではありません。

むしろ安心感が出た結果ご飯がおいしく食べられるようになり、また仕事を機に筋トレなども辞めていたので体重は増えていたように思います。

しかも介助をするときに背中からピキッと音がして、その部分だけ麻痺したかのように触られている感覚がなくなっていました。


それでも当時はあまり気にすることもなく、日が経つにつれそのことを忘れていきました。

その、あくまのささやきを…

30歳を超えたあたりから健康診断で脂質異常症と診断されるようになりました。

脂質異常症とは、中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたし、血液中の値が正常域をはずれた状態をいいます。動脈硬化の主要な危険因子であり、放置すれば脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患をまねく原因となります。

e-ヘルスネット(厚生労働省)

この頃から「あれ、結構ヤバいんじゃない?」と思い始めるようになりました。


ただ、どうすればいいのかまるでわからない。
これまでの経験からサプリメントを取ったり筋トレや運動をすれば結果が出るという訳ではなさそう。

「脂質異常」なのだから脂っこいものを食べなければいいのだろうか、とアレコレ悩んでいるばかりで具体的には何もできないまま年月が過ぎていきました。


そんなある日、立ち寄ったコンビニで糖質制限の本を見かけました。

表紙には筋肉質でありながら細身というカッコイイ男性がモデルになり、糖質制限で誰でも痩せられるような文言が書かれていました。

パラパラと読み進めると、どうやら自分でも出来そうな内容…。
当時は行く先もわからず途方に暮れていたような状況でしたから、藁をもすがる思いでその本を買い、実践してみることにしました。


それが、転落の始まりとも知らずに。

人の身体は単純ではない

多くの人が誤解をしがちなのですが、糖質というのは人の身体を動かすうえで欠かせない栄養素です。

炭水化物は炭素と水素の化合物で、たんぱく質、脂質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつです。食物として体内に取り入れられエネルギー源となる糖質と、体内の消化酵素では消化できない食物繊維があり、糖質は単糖類、少糖類、多糖類に分類されます。

e-ヘルスネット(厚生労働省)

体内でエネルギーとなるような大切なものを素人判断で制限してしまったらどうなるか。必要なエネルギーを確保できずに身体を壊すことは容易に想像がつきます。


3週間続けた僕の身体には、軽いめまいや注意力散漫、動悸・息切れや心臓の痛みなどの症状が出てきました。

FineGraphicsさんによる写真ACからの写真


しかも最初はその原因がわからず、1週間で2回の血液検査、心電図の確認や心療内科の受診など「原因を突き止めるための出費」がかさみました。

おまけに注意力が欠けたところで財布を無くしてしまい、各種カードを差し押さえたり運転免許証を再発行したりと散々な目に合いました。


糖質制限というのは専門家の適切な指導のもと行われるから効果を発揮するのであって、素人がおいそれと手を出していいものではないと心底思い知った一件でした。

そして何より「人の身体は『何かを食べればいい・食べなければいい』といった単純な構造はしていない」ということが理解できました。


ちなみにこの一件で僕の体は見事にリバウンドし、健康とは真逆の結果となりました。

いよいよ追いつめられて…

やせてみたい。でもやり方がわからない。
そんな悶々とした日々を過ごしていくうちに34歳となり、仕事の最中で腰を痛めました。

それまでに感じたことのない痛みとしびれ。
どうにか立って歩くことはできましたが、とても仕事ができるような状態ではありません。

自宅近くのクリニックへ行きMRI検査をしてもらうと、首と腰に軽度の椎間板ヘルニアがあると判明しました。

この時点で、やせるやせない以前にこのままでは介護の仕事が続けられない状況に陥ってしまいました。

椎間板ヘルニア(ついかんばんヘルニア、spinal disc herniation)は、ヘルニアの一種であり、椎間板の一部が正常の椎間腔を超えて突出した状態である。

腰椎椎間板ヘルニアの場合(中略)腰痛の他、下肢の疼痛、しびれ、場合によっては大きな浮腫みまで見られ、足が上げられない位に重くなる、動かせないなどの自覚症状に加え、障害された神経の支配領域に感覚障害を呈したり、運動神経の麻痺による筋力低下を来たすことがある。

Wikipedia

その後数か月は腰の痛みだけでなく手足の軽いしびれもあり、自分が意識しないままスプーンを落とすこともありました。

冬場は朝起きた時点で腰が冷えて起き上がれない日が何日もありましたし、夏場は温かいからと油断していると冬場よりも重い痛みが現れる日がありました。

ヘルニアとわかってから2年は「朝起きたらまず腰が無事かを確認する」ところに30分から1時間ほど費やすようになっていました。


もはや介護どころか、介助を必要とする側に回る危険性もあったわけですね。


介護をずっと続けていきたいと思ってもう一度介護の仕事を選んだのに、心身症もまだ完全に回復したとは言えない状態での故障は覚悟を決めるには十分でした。


「本気で健康になろう」と。

脂肪は溜まり、お金は貯まらない

本気で健康になると決めたものの、何をすればいいのかはまるで見当がつきませんでした。

この間に週3回首と腰の牽引と電気治療を行い、薬やシップも使っていましたから、臨時職員の収入では限界ギリギリのところでどうにか体をもたせていました。

給料日は常に残高が1桁台になるような生活が約1年続きました。これだと自分の身体を良い方へ改善して通院回数を減らす努力をしなければ経済的に成り立ちません。

自分の身体に溜め込まれた脂肪を落とさない限り腰への負担は軽減されませんから、もう減量しないことには生きていかれないほどの追い込まれ具合だったのです。


休日には本屋へ出かけて健康に関する本をひたすらチェックする日々が続きましたが、どれも限定的な内容で「これだ!」というものには出会えませんでした。

また一日4㎞ほどのウォーキングを再開して2~3㎏の減量には成功したものの、そこから先はどれだけ頑張っても成果が出ませんでした。



半年もしないうちに、思いつくくらいの方法では頭打ちになっていたのです。


お腹周りについたこの脂肪とは何なのか。
どうすれば落とせるのか。

そんなことばかり考える日々が続き、ようやく一つの事実に気が付きました。


それは「人は生物である」という前提です。

「生き物」として自分の身体を捉えたとき

それまで僕は、脂肪を落とすためにはどうすればいいかばかりに注目していました。

だから脂肪を落とす効果のあるものばかり追い求め、思うような成果が出せずに10年以上も失敗し続けたのです。


そもそも、僕は「生き物としての自分」が何なのかをよく知りませんでした。

「ヒト」という生物がどのような仕組みで生きているのか。そのもっとも根本的な部分にまったくと言っていいほどアプローチできていなかったのです。

その根本を知らずに見当ちがいなことを延々とやってきたわけですから、それで健康になれるはずもありません。学ぶべきは本当の基礎の基礎、身体の仕組みについてだったのです。



それからの5年は学んでは実践して、の繰り返しでした。

30を超える本から「食事・睡眠・運動」について、論文を元にした正しい知識を教わりました。

せっかく学んだことも続けられなければ意味がないので、「続ける方法」についても学びました。


そうして徐々に減量に成功して、壁にぶつかってを繰り返していくうちに「そもそも身体にいいってなんだ?」という疑問が浮かび上がりました。

それは遺伝子レベルから「人にとって最適な生活」とは何かを知ることへつながり、人類が最も長く続けた狩猟採取生活に基づいた生活習慣を取り入れるところにたどり着きました。


そうして。


子どものころからぼんやり思っていた「いつかやせてみたいなぁ」という願いは、30年越しに体重-15㎏、腹囲-15㎝、体脂肪率-10%という結果を導き出したのです。

まとめ ~愛情を循環させる~

2020年7月現在。
それまでリハビリを続けていた所への通院は止め、週1回のマッサージと隔週の整体に切り替えました。

MRI検査の結果、内臓脂肪が落ちたことで腰への圧迫が軽減されたのがその理由です。
今後はリハビリよりも姿勢を正すほうが症状を改善できるということで、マッサージと整体に切り替えたのです。

その効果は上々で、起き掛けの腰痛も心配する必要がなくなりました。
手足のしびれもなくなり、食事介助中にスプーンを落とさなくなりました。


健康を目指すなかで生活も変わりました。

「内臓を休ませる時間をきちんと取る」ことを大切にしようと一日二食に切り替えた結果体調が好転し、溜まりに溜まった内臓脂肪を身体が使うようになりました。

おまけに「一食分の食費+間食費」がまるまる浮かせられるようになったので、そのお金で本を買って学びを深めたり質の良い食品を取り入れたりする好循環が生まれました。


気が付けば「最近また細くなった?!」というのが僕への挨拶代わりになっていて。
身体の調子は歳を重ねるごとに良くなっていって。
何の心配もなく介護が続けられるようになっていました。



なぜ介護士が自分の身体と向き合う必要があるのか。
それはただ「いつまでも介護を続けられるようになるため」だけではありません。

何よりも大切なのは「自分の身体と向き合うなかで『自分への愛情』を育むこと」です。


仕事のストレスから気の向くままに食べたり飲んだりしていませんか?

最近よく眠れていますか?

体が重くなったと感じるときがありませんか?

そして何より、無理に働いて体を傷めていませんか?


そういった小さな「身体からのSOS」と向き合い、その原因を突き止めていくこと。
それを自分の身体で行えるようになれば、自分自身を慈しむことができます。

そうして自分自身をゆがみなく愛せるようになったとき、愛情をもって周りを愛することができるようになるのです。


愛する者は愛される。それは介護であっても同じこと。
利用者さんから愛される介護士さんは無理難題を言われることが少なくなります。

移乗のときにはその方なりに力を入れてもらえるようになり。
夜勤のときには「あなたなら安心だわ」とぐっすり眠ってもらえるようになり。

そうして気遣ってもらえることで、その方のためにより頑張ろうとするのです。



まずは自分の身体を愛そう。
そして愛情が育まれたならその愛を人に分け与えて循環させていこう。

愛し愛される人々のつながりは「きずな」となり、お互いを守る関係性を築きます。
それは何物にも代えがたい宝となるのです。

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